山椒の栄養と健康効果

山椒の基礎知識

 

山椒(サンショウ)は薬味として古くから利用されている植物ですが、ミカン科サンショウ属の落葉低木で、別名でハジカミとも呼ばれます。日本では北海道から屋久島まで、また、朝鮮半島の南部にも分布しています。

 

日本での特産地は奈良、和歌山、岐阜などで、生産量は和歌山県の山椒で国内の80%もあるそうです。

 

もともと山椒の「椒」の字は「芳しい」という意味があって、そして山の薫り高い実ということで「山椒」という名前になったとされているようです。山椒の木は大きいと6m程にもなり、かなり鋭い棘が生えています。ただ、実山椒の場合だと収穫期間は短く、実が熟すまでのわずか1週間しか収穫できません。

 

食用として利用されているのは「木の芽」、「実」、「花」ということになります。ご存知の通り山椒は主に香辛料になりますが、佃煮にもよく利用されています。山椒料理として代表的なのは、「ちりめん山椒」、「筍の木の芽和え」、「山椒昆布」、「実の味噌漬け」などいろいろありますが、やはり香辛料とし「うなぎの蒲焼」、「マーボ豆腐」などに利用する方が馴染みは深いと思います。

 

季節ごとに山椒は名前が違います。4~5月は「木の芽」で山椒の若葉です。この木の芽は緑が鮮やかで香りが良いので、焼き物、煮物などの料理の彩りとなります。5月は「花山椒」です。これは山椒の黄色い花部分で、佃煮、当座煮などに使われます。5~6月は「実山椒」です。これは青い未熟な実で、茹でて佃煮にします。ちりめんじゃこと混ぜれば「ちりめん山椒」になります。

 

夏~秋は「粉山椒」です。これは熟して茶色くなって弾けた皮の部分を乾燥して粉にしたものです。これが香味料となり、七味唐辛子の材料としても用いられます。この果皮が一般的な調味料となっているわけです。